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シリーズ「はこふぃぐめんと」
​より 組作品「四季」

「価値、意味の無くなったもの=ゴミ」に「新しい価値、意味」を与える。

普段無意識に捨てているそこには、もしかしたら知らない世界が広がっているのかもしれない。

そんな思いを持って本来ゴミとなってしまう空箱を使用し、そこに「世界観」を生み出す。

その手法は複雑で、一見無駄に見えるようなプロセスも世界観を形作るための重要な時間であり、

私たちの身の回りの豊かな環境を知る一歩につながる。

この作品は、絵画的なのに写実的な不思議な写真が大きな特徴である。

物語の一部分を切り取ったようなその世界観はカラフルでポップで、そしてどこかコミカルである。

新しい写真作品のジャンルの構築を目的とし、さらに私たちの身の回りの豊かな環境を見つめ直す小さなきっかけとなりたい。

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この作品を目にした多くの人は CG合成で作られたものだと感じるだろう。

そこで少しじっくりと眺めてみてほしい。

背景の湾曲、背景の継ぎ目、人物と背景の大小差の違和感などに気付くだろうか。
実はこの作品は非常にアナログな手法で約 2 ヶ月の時間をかけ制作している。

手順は、ミニチュアを作る→ ミニチュアを撮影する→ ミニチュアの写真を大きく印刷する→ 印刷したミニチュアの写真を背景紙 にしてセットを作る→背景紙の前に自分が立って撮影する の主に5つの工程である。

この無駄とも思えるプロセスは、その「世界」にリアリティを生み出すための重要な過程であり、このプロセスを持って初めて作品が完成する。

この作品の原点には幼い頃の遊びがあった。

一人っ子の私は何か一つのことに黙々と取り組むことが多かったようで、母から不要になった空箱を与えられては工作をしていた

らしく、それは私にとって当たり前のことであった。

他者からすればそれはもの珍しく、これまで意識しなかったものを意識するきっかけとなるようだ。

それはもしかしたら身の回りを見つめ直す小さな一歩となれるかもしれない。

新しい写真作品のジャンルの構築を目的とし、さらに身の回りの豊かさに気づく小さな手助けとなれればと思う。

1.作品に使用する商品の企業とコンタクトを取る。

2. ミニチュアを作る。

3. ミニチュアを撮影する。

4. ミニチュアの写真を大きく印刷する。

5. 印刷したミニチュアの写真を背景紙 にしてセットを作る。

6. 背景紙の前に自分が立って撮影する。

7.写真を出力する。

<素材・ツール>
空箱、緩衝材、空箱類の端材、紙、アクリル絵の具、粘土、竹串、爪楊枝、粘土、 ニス、Photoshop、Illustrator、カメラ(Nikon)、大判プリンターなど
<タイトルについて>
箱(ハコ)とfigment(空想、想像)を組み合わせた造語。
​私の頭の中の空想を具現化させたものだということが直接的に伝わるようなタイトルに変更した。
<協力>
日本製紙クレシア株式会社
株式会社アークティック
株式会社日東社
​紀文食品株式会社
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